記事詳細

【長田昭二 ブラックジャックを探せ】患者に合った確実な「下肢静脈瘤」治療で高い知名度 横浜南共済病院・孟真さん

★横浜南共済病院(横浜市金沢区)循環器センター長・孟真さん(60)

 横浜市金沢区六浦東。京浜急行・追浜駅から徒歩10分ほどの場所にある国家公務員共済組合連合会横浜南共済病院は、33の診療科と565の病床を持つ、横浜市南部を代表する中核病院。

 ここの循環器センター長の外科医、孟真さんは、心臓血管外科全般を担当する中、特に「下肢静脈瘤」の診断と手術において全国的に知られている。

 足から心臓に血液を戻す静脈は、万有引力に逆らって血液を遡上させるため、逆流を防ぐ「弁」がいくつも付いている。しかし、この弁が機能不全を起こすと静脈内の血液がうっ滞し、「瘤(こぶ)」を作ることがある。これが下肢静脈瘤だ。

 ふくらはぎの表面に血管が浮きでてくるだけでなく、むくみや痛み、だるさなどの症状を引き起こし、皮膚に炎症や皮膚炎が起きることもある。放置すれば皮膚が崩れて潰瘍になる危険性がある。

 「昔は血管を抜去するストリッピング術が主流でしたが、薬剤で血管を塞ぐ硬化療法の導入、さらには2011年からはレーザーや高周波を使って血管を内部から焼灼し、血液が流入しないようにする治療が導入されました。症状に合った術式を選ぶことで、患者さんの体にかかるダメージを小さく、しかも確実に治療効果が得られるよう努めています」

 そう語る孟医師のポリシーは、「経験に基づいた根拠のある治療の選択」。知名度の高さから、県外からも紹介患者が集まってくるが、そのすべてを自動的に手術に回すのではなく、本当に手術をすべき症例なのか-をもう一度、徹底的に検討する姿勢を崩さない。

 「一見、下肢静脈瘤に見えても、じつは静脈血栓症や関節の痛みなど別の病気のこともある。クオリティーの高い医療を求めて来られた患者さんの要求に応えるためにも、そこは譲るわけにはいきません」

 技術に自信があればこそのこだわりが、患者の高い満足度を生むのだ。(長田昭二)

 ■孟真(もう・まこと) 1958年東京都生まれ。84年、群馬大学医学部卒業。横須賀米国海軍病院でのインターンを経て横浜市立大学医学部外科治療学教室入局。米カリフォルニア大学サンディエゴ校留学を経て、2002年から横浜南共済病院。現在同院長補佐、循環器センター長、心臓血管外科部長を兼務。横浜市大医学部臨床教授。日本静脈学会理事。日本外科学会認定医・専門医・指導医。心臓血管外科専門医。下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医師他。趣味は「猫と遊ぶこと、猫写真を見ること」。