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【膝関節再生治療を追う!】過信は禁物だが、短期で9割改善も 医療機関を見極めることが大事 (1/2ページ)

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 4回にわたって検証してきた「変形性膝関節症」に対する再生医療の現状。日本国内の医療施設で臨床導入されている、PRP療法、APS療法、細胞由来幹細胞移植のいずれも、明確な効果を裏付けるデータが出てくるのはこれからだ。

 「ただ、私たちが予想していた以上に、“いい効果”が出ているのも事実です。短期成績では9割近い患者さんの痛みが改善している」と語るのは、埼玉協同病院(川口市)整形外科部長の仁平高太郎医師。続けてこう語る。

 「PRP療法には、肉離れや靭帯損傷のような“ケガとしていずれ治る障害”の、治る速度を早める力は確かにあります。ただ、変形性膝関節症は、長年患い放っておいたら治らない病気。これをケガと同一に考えるのには無理がある。そのことを治療を受ける側もよく認識して治療法を選ぶ必要があります」

 仁平医師の病院には、再生医療を希望して全国から股関節と膝の変形性関節症の患者が訪れるが、仁平医師らの説明を聞いて再生医療を受ける人は半数以下。それでも治療に選択の幅ができることを、仁平医師は好意的に受け止める。

 「家族の介護や仕事の都合などで入院が厳しいなど、人工関節の手術に踏み切れない事情もある。その間は再生医療を利用するという手はあるし、中程度の変形の方なら長期の効果持続も望めます」

 この連載でも繰り返し述べてきた通り、膝関節に対して行われる再生医療は、iPS細胞やES細胞のような「根治」を目指す再生医療とは異なる-という認識を持つことが重要なのだ。

 しかし、一部の医療機関では、「夢の治療」などの表現を用いて、あえて患者が混同するような形で治療に誘導するところもなくはない。自由診療でもあり、治療によっては費用も数十万から施設によっては数百万円と開きがある。