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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】アラサー社長&杜氏が酒造りタッグ 先代のために立ち上げた「津島屋」 (1/2ページ)

★岐阜県・津島屋(上)

 岐阜県の酒が、今じわじわと人気を集めている。その中でも全国に打って出て、成功している銘柄が、美濃加茂市の「津島屋」だ。

 蔵のある美濃太田へは、名古屋から特急で1時間程度と便は良い。昔から交通の要衝であり、旧中山道の太田宿には、今もなお江戸時代の町並みが残っている。

 太田宿の真ん中に蔵を構えるのが、銘酒「津島屋」と「御代櫻(みよざくら)」の2つのブランドを醸す蔵元の御代桜醸造だ。社長は6代目の渡邉博栄(ひろえ)さん。社長になったのは29歳の時で、先代の直由さんが地元・美濃加茂市の市長に就任したための社長交代だった。先代も含め、周りにサポートしてもらいながらの船出だったという。

 直由さんは、岐阜県でいち早く季節杜氏制度を廃止した蔵元だった。そして社員杜氏候補として、酒向博昭さんを迎え入れていた。酒向杜氏は、バイオテクノロジーを学んで入社後、前任の但馬杜氏のもとで酒づくりを習得した。杜氏になったのは2001年。渡邉社長が社長になったとき、酒向杜氏は30歳だった。こうして若い社長と杜氏がタッグを組み、看板銘柄の「御代櫻」をつくっていった。