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【どこまで分かる その検査】大腸内視鏡検査で痛みの少ない「水浸法」 5万例以上で穿孔事故ゼロ (1/2ページ)

 大腸がんの早期発見に欠かせない大腸内視鏡検査だが、過去に痛い思いをした人は敬遠しがちだ。しかし、肛門から内視鏡を挿入する方法にも種類がある。痛みの原因は何なのか。痛みの少ない「水浸(すいしん)法」の普及に尽力している「新宿大腸クリニック」(東京)の後藤利夫院長が説明する。

 「従来の方法は『送気法』といって、内視鏡の先から1~2リットルの空気や炭酸ガスを送って大腸を膨らませます。すると膨らんだ風船が折れ曲がるような部分ができます。そこを内視鏡が通過する際に腸が引っ張られたり、圧がかかったりすると痛みの原因になるのです」

 大腸内視鏡は、内視鏡をいったん一番奥の盲腸まで挿入し、戻ってくるときに観察やポリープ切除を行う。痛みを感じるのは、内視鏡が最初に盲腸にたどりつくまでの検査の前半。特に腸が固定されていないS状結腸や横行結腸が痛みの原因になりやすい。

 そこで麻酔や鎮静剤を使って送気法を行うやり方もあるが、安全性に問題がある。患者が痛みを訴えないため、慣れてない術者(医師)が行うと、内視鏡を無理に押しすぎてしまう可能性があるからだ。3000人に1人程度で、腸が破れる穿孔(せんこう)事故のリスクがあるという。

 一方、水浸法は腸に空気を送らない。麻酔も患者の希望がなければ基本的には使わない。

 「水浸法は内視鏡の先から100~200ミリリットルの水を流しながら挿入していきます。内視鏡が滑り摩擦が少なく、水の浮力で内視鏡自体も軽くなるので、弱い力で安全に盲腸まで到達できます。戻るときは空気を送って腸を膨らませるので、観察精度は送気法と変わりません。内視鏡の平均挿入時間は5分未満です」

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