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【生涯現役脳をめざせ!】高血圧や糖尿病だけじゃない 認知症リスクのひとつ「難聴」とは (1/2ページ)

★ゲスト 堤剛・東京医科歯科大学教授(耳鼻咽喉科)(1)

 2015年、厚生労働省などが策定した「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」の中で認知症リスクのひとつにあげられている難聴。高血圧や糖尿病などに比べあまり語られない難聴について専門医に聞く。

 朝田 加齢によって聴力にはどのような変化が起きますか。

 堤 聴力=音を聞く力は加齢とともに低下していきますが、聴力が良くても「言葉が聞き取れない」という現象が起こります。加齢性の難聴では高い音(高周波成分)が聞き取りにくくなります。日本語の子音は高周波成分が多いのでそこが聞こえづらくなると、たとえ音が聞こえていても意味をもつひとつの言葉(単語)として認識する能力が低下します。それで、「声は聞こえるけれど何を言っているのかわからない」という現象が起きるのです。これを「語音聴取能(ごおんちょうしゅのう)、(語音聴力(ごおんちょうりょく)の低下」と言います。

 朝田 「難聴」とひとくちに言っても、2つの意味があるということですね。音そのものが聞こえない難聴と、音は聞こえていても言葉の意味が伝わらない難聴と。

 堤 そうです。

 朝田 中年期からの難聴が認知症リスクの大きな要因になるという研究報告があります。よく言われるのが、「聞こえにくい→コミュニケーションが減る→ひきこもり→うつ→認知症」という悪循環です。それで難聴が認知症の増悪要因になっているということでしょうか。