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【どこまで分かる その検査】早期の発見率を高める「低線量CT肺がん検診」 照射線量を落としても病変の検出が可能 (1/2ページ)

 がんの中で最も死亡数が多い「肺がん」。一般的に、肺がん検診は胸部単純X線検査と喀痰細胞診を併用して行われている。しかし、この検査では早期の小さながんを発見するのが難しい。そこで近年は「低線量CT肺がん検診」を行う施設が増えている。

 通常の胸部CT検査は放射線被ばくの面から検診には望ましくないが、低線量(被ばく低減撮影法)で行うと被ばく量は通常の10分の1程度になる。それでも他の臓器と違って、肺がんを検出できるのはなぜなのか。「ニューハート・ワタナベ国際病院」放射線科(東京都杉並区)の眞田順一郎部長が説明する。

 「肺をCT(X線)で撮影すると肺の中は黒く写り、がんなどの病変は白く写ります。一般的に低線量CTは通常のCTと比べて画質が劣化しますが、肺の中が空気でスカスカな臓器なので、照射線量を落としてもコントラストがついて、病変の検出が可能なのです」

 単純X線検診と比較すると、低線量CT検診による肺がん発見率は「約10倍程度高い」(日本CT検診学会)とされる。また、一般的にX線検診では15ミリ未満の早期がんの発見はなかなか難しいが、CT検診では10ミリ以下のがんの発見も可能といわれる。

 それはX線検査の画像は隣接する他臓器(心臓や血管など)との重なりが多いが、CT検査は輪切りの薄い断面像なので重なりが少なく圧倒的な解像度を有するからだ。

 「ただし、低線量といっても単純X線検査よりは被ばく量は多く、骨や他臓器の近くにある小さながんは極端に画質が悪くなるので検出できない可能性もあります。さらに、直ちにがんとは診断できず経過観察となる病変も単純X線検査より多く見つかります。低線量CT検診は被検者が、受ける利益と不利益を十分理解することが大切です」

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