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【阿部亮のつぶやき世界一周】植物の繁殖戦略とその結末の驚異 結局は大自然の連鎖の一部

 秋から初冬にかけて、道端や線路わき、河川敷やチョットした空き地にも、高さ1~2メートルの所に30センチほど黄色の小さい花を無数に付けるセイタカアワダチソウ。花の時期はキレイだが、花が終わると一つの株で数千個もの綿毛状の種子を飛ばして、そのまま立ち枯れる。おかげで冬から翌年の春までは、高さ2メートルもの枯れ草の林ができて、邪魔な雑草の代名詞になっている。

 春には地下から芽が伸びて、株を一回り大きくして、秋にまた花を咲かせてを繰り返す多年草。何年かたつと、もともとそこに生えていたススキや「ひっつき虫」ことセンダングサ、ハルジオンなどの雑草、その他のさまざまな植物を押しのけて、いつの間にか一面がセイタカアワダチソウの大群落になる。

 昭和40年代には、この雑草の繁殖力のすごさに驚いて、「日本中が占領されるのでは?」と社会問題にもなったらしい。それは、この草が他の植物の発芽や成育を阻害する化学物質を合成し、地下茎から放出する「アレロパシー植物」であることが分かったからだ。

 これは根付いた場所で、競合する他者を根や葉から放出する毒や害虫を使って排除し、自らの種族だけの群落を作る、植物の繁殖戦略の一つ。ヨモギやクローバーなどの雑草、松やサクラなどの樹木も、このアレロパシーを行っている。

 一帯を制覇したセイタカアワダチソウは、数年が経過すると自らがまいた毒で自家中毒を起して衰退。その場所は数年後、別の草木の種が飛んできて、結果的にアレロパシーも大自然の連鎖の一部となる。

 ■阿部亮 北海道札幌西高等学校卒業。19歳で陸路を世界一周。ニッポン放送「阿部亮のNGO世界一周!」のメインパーソナリティ。ミャンマー、ネパール、カンボジア、ブルキナファソ(西アフリカ)に12校の学校を建設している。