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【人とペットの赤い糸】日本でも必要な「動物介在教育」 ペットの死を通して生命を考える (1/2ページ)

 先日9日から11日にかけて、東京大学農学部で「第11回動物介在教育・療法学会学術大会」が開催された。その学会の基調講演として、動物介在教育・療法学会副理事長の的場美芳子先生が「動物介在教育の再考 人が動物とどう関わるか」と題して大変興味深い講演をされたので、その一部を紹介したい。

 講演の内容は、動物介在療法、動物介在活動、動物介在教育を実践していく上での考察だった。

 さまざまな調査データが紹介された。「今まで死について考えたことがあるか」の問いを学生(専門学校・大学)に聞いたところ、「ある」と答えた人は95%。「死について考えたのはいつ頃か」の問いに、最も多かったのは「小学生の頃」だった。また、「特に影響を受けたのは誰の死か」の問いには、1番が「祖父母」、2番が「ペット」だった。この結果から、人の死はもちろんだが、ペットの死によって死について考えた子供が多かったということだ。

 一方、「今まで学校の授業で死について学んだことがあるか」との問いに「ある」と答えた学生は39%に留まった。人の死とペットの死を考えることは情操教育・人道教育には不可欠のようだ。

 的場先生は、教育学者で明星大学特別教授の高橋史朗氏の「現代の子供たちは、生命の痛みについて冷たく分析することはできるが、温かく実感する、共感することができない。明治以降の教育が“目に見えるもの”についての知識を授けることに偏り、“目に見えないもの”を豊かに感じ味わう感性を育てる教育を怠ってきたからである」という言葉を紹介した。

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