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【人とペットの赤い糸】動物福祉の基本概念「5つの自由」「5つの責任」とは? (1/2ページ)

 先日、「命の教育:海外の事例を踏まえて」と題して、動物虐待防止協会としては最も歴史のある英国王立動物虐待防止協会(RSPCA)の国際事務総長であるポール・リトルフェア氏の講演が開催された。

 RSPCAは1824年設立。弱者である全ての動物に対して、虐待を防止し、優しさ・思いやりを奨励し、苦痛を緩和するために設立された世界最古の動物福祉団体だ。チャリティーのみで運営され、政府からの援助はない。社員数は1650人。2017年度の収入は1億4100万ポンド(212億円)で、調査員340人、年間5万頭の動物が譲渡されている。病院7カ所、クリニック41カ所、譲渡施設51カ所となっている。また、科学技術スタッフは40人にも上る。

 リトルフェア氏の講演は過去3回拝聴しているが、今回は最も詳しくお話をいただいた。同氏と、通訳を務めたアニマル・リテラシー代表理事の山崎恵子先生にご了解を得たので、講演の一部を夕刊フジ面で紹介したい。

 動物虐待が対人暴力と連動していることが、多くの科学的研究により示されており、思いやりのある社会をつくり上げていくには、幼い頃から命を大切にする教育を施し、心ある市民を育てていく必要性があるとの観点からの講演だった。リトルフェア氏は、18世紀後半から19世紀前半にかけて子供が奴隷のように働かされた歴史や、雄の牛(ブル)と戦わせるために鼻を短くして噛むように仕向けたブルドッグのブリーディングなどについても語った。

 動物の利用は「活用」「誤用・酷使」「悪用・虐待」の3つに分けられるが、講演の中で動物の利用場面の例をとり、参加者にアンケートを実施した。動物福祉に関心のある方々がセミナーに参加していたが、参加した人の中でも判断がおのおの違い、福祉に関しての考え方は人それぞれで異なるものだと再認識させられた。

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