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【宴会シーズン突入「脂肪肝」を撃退せよ】脂肪がたまりやすくなる足の筋力低下…「ダイナペニア」を防ぐ食材とは?

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 近年、飲みすぎより食べ過ぎによる「脂肪肝」の人が増えている。この状態の人が、忘年会などで飲酒をした場合、少量でも肝機能にダメージを与えることを前回紹介した。それを防ぐには、日頃から食べ過ぎを見直して肝機能を守ることが大切だ。では、食事で気をつけるべき食材とはなにか。

 「脂肪肝は、肝臓で脂肪酸の合成が高まると生じます。その合成量を減らすと報告されているのは、青魚などに含まれる不飽和脂肪酸のひとつ、エイコサペンタエン酸(EPA)です。緑黄色野菜と青魚を食べると、肝臓に炎症が起こりにくく、脂肪肝予防に役立ちます」

 こうアドバイスするのは、筑波大学附属病院消化器内科の正田純一教授。同科の「肝臓生活習慣病外来」で、肝臓の硬さを超音波で簡便に測定できる「ファイブロスキャン」などを駆使し、肝機能障害の診断と治療を行っている。

 ご飯などの炭水化物を控えて、サバの味噌煮、ホウレンソウやニンジンなどの緑黄色野菜をたっぷり食べるとよいそうだ。ただし、すでに脂肪肝になっている人は、これらの栄養素だけでは足りない。

 「食べ過ぎで脂肪肝になっている人は、足の筋力が低下している『ダイナペニア』になっていることが多いのです。筋肉に役立つ栄養素も取り入れて、体を動かすことが重要になります」

 一般に、筋肉量の減少と筋力の低下は「サルコペニア」と診断される。30代以降、加齢に伴い筋肉量は1~2%ずつ減少するため、運動と食事で強化しないとサルコペニアに陥りやすい。

 一方、ダイナペニアは、筋肉量は維持されているが筋力が低下した状態。体内の脂肪は、筋肉でエネルギー代謝されるが、その機能が低下すると脂肪がたまりやすくなる。

 「骨格筋を画像検査により解析してみると、サルコペニアでは、筋肉の隙間に脂肪がたまって映し出されます。いわば霜降り肉のような状態で脂肪筋と呼ばれます。結果として、同じ運動をしてもエネルギー代謝が悪く、体内に脂肪がたまりやすくなるのです」

 筋肉を正常に保つため役立つ食材を正田教授に聞いたので参考にしてほしい。

 ご飯などの炭水化物は半分程度に減らし、青魚や緑黄色野菜、肉類、キノコ、ヨーグルトなど、肝臓と筋肉を守るのが脂肪解消・予防のコツ。肉類などに含まれるロイシンは、筋肉に取り入れやすいため、筋肉強化に役立つ。ただし、食べ過ぎは厳禁。

 「食事を見直すだけでも、脂肪肝はよくなります。それに運動を加えることで、脂肪肝で硬くなった肝臓は柔らかくなり、肝臓の健康に役立ちます」

 肝臓を支える骨格筋は第2の肝臓といわれ、脂肪肝のみならず、糖尿病などの病気予防にその働きは欠かせない。肝臓と骨格筋の健康を維持することを意識しよう。(安達純子)

 ■第2の肝臓「骨格筋」の維持に役立つ食材

 □タンパク質…1食あたり、薄切り肉2~3枚、魚の切り身1切れ、卵1個、豆腐約2分の1のいずれかひとつを食べる

 □カルシウム…牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚など

 □ビタミンD…サケやキノコ、緑黄色野菜などを食べた上で日光浴をする

 □必須アミノ酸…肉類などに含まれるロイシン、イソロイシン、バリン(サプリメント活用もよい)

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