記事詳細

【マンガ探偵局がゆく】原作は英作家、ジョージ・オーウェルの短編小説 動物が人間に反乱を起こす「アニマル・ファーム」 (1/2ページ)

★ミッショ(58)石ノ森章太郎が描く風刺マンガ

 「父親がわが家に同居することになり、実家を処分するため久々に故郷に帰ってきました。かつての自分の部屋を片付けていたら、中学2年生のころに読んでいた『少年マガジン』がなぜか1冊だけ出てきました。少年雑誌というよりは、もうちょっと上の世代向けで、当時の私はかなり背伸びして読んでました。この号には載っていないのですけど、石ノ森章太郎さんが牧場の動物たちが人間に反乱する話を描いていた記憶があります。なんというマンガでしたっけ」(中2病のサラリーマン)

 依頼人が読んだのは、石ノ森章太郎が、イギリスの作家ジョージ・オーウェルの短編小説『動物農場』を原作に描いた『アニマル・ファーム』のことだろう。

 自由を求めた家畜たちが農場主に反乱を起こして自由を獲得するが、やがて内部分裂が起きて、スノウボールとナポレオンという2匹の豚同士が派閥をつくって対立。スノウボールは裏切り者の汚名を着せられたまま死に、ナポレオンと彼の支持者による農場の支配が始まる、というストーリー。

 オーウェルはロシア革命後に生まれた独裁政権の恐怖を、動物たちの姿を通して風刺したのだ。ナポレオンはスターリン。スノウボールは、スターリンに暗殺されたセイゲル・キーロフやトロツキーたち…。

 石ノ森は、原作を忠実になぞりながら、神業のようなテクニックでマンガならではのビジュアル世界に作り変えた。

関連ニュース