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【膵臓がんをあきらめない】膵臓がんの根治は夢ではない 手術ができるまで腫瘍を小さくする術前補助療法 (2/2ページ)

 それは、手術の前に化学療法(抗がん剤)や放射線治療を行って、がんを小さくする「術前補助療法」の技術が進んできているからだ。

 「2000年以前は、手術ができた患者さんでも5年生存率は13%でした。残りの87%の患者さんは、手術で腫瘍を切除したときには気が付かないくらいの小さな転移があり、それが5年以内に育って命を奪った、ということになります」(遠藤教授)

 2001年にジェムザール(一般名ゲムシタビン)という抗がん剤が日本でも認可され、手術後の患者に6カ月間投与する治療法が広まる。それから、手術と術後補助化学療法を行った切除可能患者の5年生存率は、40%くらいに上昇した。

 「それならば手術前に、まだ標的となる腫瘍があるうちに抗がん剤(や放射線)を使って小さくしよう、という術前化学(放射線)療法が行われるようになりました。効果があればいいし、効果がなかった場合でも、薬が効くか効かないかがわかりますので、次の一手を打つことが可能です」(同)

 切除可能境界の人であれば、術前治療をやる前は5年生存率が10%くらいだったのが、術前治療を行う今では30~35%くらいに上がっている。さらに初診時に切除不能の人であっても、術前化学療法を行うことで、約20%の人が手術可能になるという。

 「術前化学療法で手術が可能になる確率は以前より上がっています。あきらめずに、がんばる価値はあると思います」

 次回は早期発見について。(石井悦子)

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