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【BOOK】「『温泉』がなぜ世界遺産にならないのか不思議」 米国人青年を通して見える驚きの日本文化論 浅田次郎さん『わが心のジェニファー』 (1/2ページ)

 今やどこもかしこも外国人観光客で大にぎわいのニッポン。2019年はラグビーのW杯、20年は東京五輪。外国人労働者もワンサカやってくるとなると、“オモテナシ”の真価が問われる。まずはテキスト代わりにこの話題作をご覧あれ!(文・梓勇生 写真・萩原悠久人)

 --近年、訪日外国人数が急増しています

 「結果的にタイムリーな本になりました。これほどまでに外国人の(日本)観光ブームがくるとはね。特にリピーターが多いのは、とってもよいこと。日本にきてよかったと思った外国人が多かった証拠ですから」

 --やはり、“オモテナシ”が評価されたのでしょうか

 「ただね、『外国人向け』をあまり意識してはいけません。温泉宿にベッドをわざわざ入れたりとかね。外国人はそんなことを望んではいない。むしろ、畳の部屋にふとんを敷いて…一体どうやって寝るんだ? というオドロキを大切にすべきでしょう。何しろ温泉街の日本旅館は、今や『古き良き日本の伝統文化』の保存装置。日本人の普段の生活から失われつつあるものが、そこには残っているんです」

 --本書の主人公であるアメリカ人青年・ラリーは、まずトイレのウォシュレットにびっくり

 「これは大発明ですよ。こんなすばらしいものをなぜ、外国では採用しないのかな。ヨーロッパなどは、トイレの数が少ないし、便器も小さめ。高いお金を出して、こうした装置を普及させる発想自体がないんでしょう。僕が海外で唯一、ウォシュレットを見たのは、中国の高級ホテルだけ。ひと昔前の中国のトイレ事情は“世界最低”と言ってもいいくらいでしたが、意外に応用力があるんですね」

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