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【安達純子 健康寿命UP術】がん治療のカギを握る遺伝子変異 悪性度高い遺伝子メカニズムが分かってきた (1/2ページ)

 年始の誓いに、生活習慣の見直しを掲げた方は多いだろう。乱れた食生活は肥満や糖尿病、高血圧を後押し、がんなどの命に関わる病気にもつながりかねない。がんは早期発見・早期治療で治ることが多くなっているが、進行すると治療が難しくなる。そのカギを握るのが遺伝子変異であることが分かってきた。持って生まれた遺伝子とは異なり、日々の生活でマイナーチェンジした遺伝子で病気が治りにくくなるのだ。

 たとえば前立腺がん。進行した前立腺がんでは、手術などの外科的治療、放射線療法、ホルモン剤などの化学療法が適用されるが、それでもがんが進行してしまうことがある。この悪性度の高い前立腺がんで、遺伝子レベルの仕組みがわかってきた。

 「前立腺がんは、男性ホルモンのアンドロゲンの影響で分化・増殖するため、アンドロゲンの量を減らし、がん細胞の受け皿となるアンドロゲン受容体の働きを妨げれば、がんは増殖できません。これが、ホルモン療法の仕組みです。ところが、ホルモン療法を行っているうちに、アンドロゲン受容体の働きは増強されるばかりか、アンドロゲンと関係なく機能するV7という別のタイプの受容体もたくさん作られ、前立腺がんがホルモン療法に抵抗して増殖するようになるのです」

 こう話すのは、東京都健康長寿医療センター研究所老化制御研究チームの高山賢一研究員。高山氏らの研究グループは、昨年4月、悪性度の高い前立腺がんへと変化させる因子とメカニズムを解明した論文を発表し、新たな診断法や治療法の開発へ弾みをつけている。

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