記事詳細

【マンガ探偵局がゆく】江戸を舞台に“女力士”の夫婦愛と復讐を描く 天才・上村一夫の異色作「まごころ」 (1/2ページ)

★ミッション(66)天才・上村一夫の異色作

 今回はちょっと変わった相撲マンガに関する調査依頼だ。

 「大学生時代に学校近所の喫茶店で読んだマンガに、女相撲の横綱が江戸相撲の関取を頭上高くに投げ飛ばしてやっつける、という場面がありました。作者は上村一夫さんだったと思います。連載の最終回だったみたいで、なぜ両者が対戦することになったのかがわからずに、ずっと気になっていました。調べてもらえますか?」(60歳・松太郎)

 依頼人が大学生時代ということは昭和50年代前半。上村一夫のマンガでその時期のものを調べてみると、あった。芳文社の『週刊漫画TIMES』に連載された『怨霊十三夜』のうち1977年5月27日号から6月10日号まで3回に分けて掲載された「まごころ」だ。

 江戸の貧しい長屋に按摩師の夫婦が引っ越してくる。小柄な夫と大柄な女房はとても仲がいいが、夫は仕事に恵まれずその日のおまんま代もない始末。厳冬の中、寒さしのぎに夫婦で相撲を取っているところをみた興行主に勧められ、夫婦相撲を出し物にしたところ、エロチックでペーソスもあふれた出し物としてたちまち江戸中の評判になった。

関連ニュース