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【ぴいぷる】医師と作家、二刀流で切り込む医療の闇 “小説界の手塚治虫”久坂部羊さん「日本人は死を恐れすぎ」 (1/3ページ)

 人呼んで“小説界の手塚治虫”。

 漫画界の巨匠・手塚と同じ大阪大学医学部を卒業後、現役医師として医療をテーマにした小説を書き続けている。

 「医療の現場は過酷で不条理。きれいごとだけではすまされません。しかし、たとえ医学界のみんながそう思っていたとしても、現場の医師が、それを口に出して言うことは決して許されないのです」

 だからこそ、漫画家として手塚がロングセラーの傑作「ブラック・ジャック」で医療の闇を描いたように、自分は小説家として医療現場の闇を描く…。そんな覚悟でメスとペンを持ち替えてきた。

 新作「介護士K」(KADOKAWA)は、高齢化が進む日本の介護問題に斬り込み、介護現場の実態を浮き彫りにする骨太の社会派ミステリー。

 有料老人ホームで、入居者の転落死亡事故が相次いで発生。ホーム側は自殺だと主張するが、取材を始めたルポライターの美和は介護士、恭平に疑いの目を向ける…。

 2014年、川崎市の有料老人ホームで入所者3人が相次いで転落死した実在の事件を彷彿とさせる。

 「殺人は許されないが、理由がある。果たして安楽死は殺人なのか」

 医師だった父が13年、87歳で亡くなった。85歳でがんを告知された父は驚くべきことに「しめた、これで長生きせずにすむ」と喜んだ。手術を受けさせようとしたら、「なぜ邪魔をする、と怒られたんです」と苦笑する。延命治療の常識を覆させられたという。

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