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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】日本酒が苦手でも楽しめる酒を 岐阜県「初緑」 (1/2ページ)

★岐阜県「初緑」(上)

 岐阜県では今、酒飲みのためのキャンペーンを絶賛開催中だ。観光案内所などで配布する「呑んべぇパスポート」を、県内の29蔵で提示すると、秘蔵酒の試飲や、お猪口のプレゼントなどの特典があるのだ。

 酔っぱライターとしては、ぜひともこのおいしい企画に乗っかりたい、ということで、まずやって来たのは下呂市の奥飛騨酒造である。

 来年には創業300周年を迎える老舗で、蔵元の高木千宏社長で8代目になる。仕込み水は飛騨川と馬瀬川の伏流水。軟水の柔らかな水から生まれる、きれいな酒質が身上だ。もともとの銘柄は奥飛騨だが、10年前に初緑(はつみどり)というブランドを立ち上げた。

 初緑は、江戸享保年間に尾張の殿様から命名された、奥飛騨酒造で最も古い銘柄だが、日本酒が苦手な人でも楽しめる酒を目指して復活させた。その特徴は、純米無濾過生原酒中心の、香りよく日本酒臭さのない酒だ。

 高木社長が蔵を継いだ40年前、奥飛騨酒造は飛騨で最も小さな蔵だった。そのとき「とにかく一番になろう!」という目標を立てた。そしてまず、飛騨で製造量1位になり、初緑をリリースしてからは、岐阜県でも1位になった。最近では、当コラム既報の蓬莱の蔵元、渡辺酒造店(飛騨市)に製造量1位を明け渡したが、「今度は製造量ではなく、利益で一番になる」という目標を掲げている。

 「それには東京で売れないとダメ。全国に発信できるのは東京で売れてからです。少々の人気で満足するようではいけない。今どんな酒が売れているか、リサーチは欠かしません」

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