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【マンガ探偵局がゆく】50年前に出版、画期的だった「現代漫画」 (1/2ページ)

★ミッション(68)マンガ全集ってありますか

 若い人の疑問にはときどきハッとさせられるが、これもそのひとつ。

 「学校の図書室に行くと必ず日本文学や海外文学の全集が並んでいるのに、どうしてマンガの全集はないのでしょう。マンガだからダメなんですか。先生からは世界中の人が日本のマンガのファンだと聞きました。それならマンガの全集があってもいいと思います」(高校2年・トニートニー)

 依頼人が生まれる30年以上も前の話なので知らないのは無理もないが、じつは、日本マンガの全集は出ていたのだ。1969年から71年にかけて筑摩書房が2期27巻で刊行した『現代漫画』がそれ。横山隆一、加藤芳郎、サトウサンペイなど風刺系マンガ家を中心に、手塚治虫、水木しげる、白土三平、つげ義春、石森章太郎などストーリーマンガや劇画のマンガ家もラインアップに加えた、当時としては画期的な企画だった。

 編集委員をつとめたのは哲学者で大衆文化研究者でもあった鶴見俊輔、映画評論家の佐藤忠男、小説家の北杜夫の3氏。

 装丁は四六判ハードカバー箱入りで、文学全集と並べても違和感がないものだった。

 同じ69年に、双葉社からはやはり四六判ハードカバー箱入りで『現代コミック』全12巻の刊行がはじまっている。こちらの編集委員は文芸評論家の尾崎秀樹、SF作家の小松左京、小説家の野坂昭如。ラインアップに風刺系マンガ家の名前はなく、『現代漫画』では取り上げられていない、小島剛夕やモンキー・パンチなど青年コミック系マンガ家が入っているのが特徴だ。

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