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【最新リポート AIで変わる医療現場】病変発見率98% 国立がん研究センターが開発中の「リアルタイム内視鏡診断サポートシステム」 (2/2ページ)

 「空港で行われている顔認証システムにヒントを得て、AIに当院の内視鏡画像で学習させました。現在も、精度を高めています」(山田医師)

 1枚ずつ手作業でAIに内視鏡画像を覚えさせると、AIはディープラーニングシステム(深層学習)で、「検知、分類、識別」を瞬時に行えるようになる。山田医師が約5000枚を学習させた17年時点では、学習とは異なる新たな内視鏡画像解析で、AIは病変発見率98%の驚異的な結果を出した。

 さらに開発チームを立ち上げ、15万枚以上の内視鏡画像の学習により、メーカーによって異なる内視鏡画像でも精度が維持されることを確認。現在、医療機器として申請し、実用化を目指している。

 「臨床試験が開始できれば、実際の現場のスピードや動画など、AIが認識する情報量が増えることで、さらに精度を高めることができます」

 18年4月には、米国食品医薬品局(FDA)が、糖尿病網膜症を検査するAIを活用した診断装置を承認した。世界的に見てもAIの医療での活用研究は進んでいる。日本でも医療への浸透が加速しそうだ。

 「大腸内視鏡検査で、日本人の医師は優れた技術を持っています。その技術に裏打ちされたAIによる診断サポートシステムで、将来的には世界を目指したいと思っています」と山田医師は今後を展望する。(安達純子)

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