記事詳細

【最新リポート AIで変わる医療現場】薬の副作用などデータ解析、飲み合わせも管理へ (1/2ページ)

★(3)

 がん治療では、分子標的や免疫チェックポイント阻害薬など日進月歩で新しい薬が登場している。一方、がんの発症しやすい中高年世代は、生活習慣病などの持病ですでに薬を服用している人は少なくない。新しい薬の使用方法や副作用、すでに患者が服用中の薬やサプリメントなどとの飲み合わせなどについて、医師や薬剤師らは常にチェックしなければならない。そこにも人工知能(AI)は役立つ。

 国立がん研究センターが昨年11月、医薬品情報の問い合わせに対する多施設共有のデータベース構築運用と、AIを活用した質疑応答支援システムの研究開発をスタートさせた。薬剤部に集まる情報を効率よく処理し、運用できるようにするのが狙いだ。

 「医薬品情報管理室には、日々多くの問い合わせが寄せられ、蓄積したデータなどをもとに薬剤部のスタッフが対応しています。それは企業のコールセンターと相通じると思い、AIの活用ができるのではないかと考えたのがきっかけです」

 こう話すのは研究を主導する国立がん研究センター東病院薬剤部医薬品情報管理主任の望月伸夫博士。

 同病院の医薬品情報管理室では、医師らの問い合わせに対し、薬剤の資料や薬の添付文章の改正、医薬品安全情報など、さまざまな最新の情報をチェックした上で、薬が適切に使用できるようにアドバイスを行っている。

 この情報収集と情報の整理をAIが肩代わりできれば、薬剤部の負担は軽くなり業務の効率化が進む。そのヒントになったのが、企業のコールセンターにおけるAI活用。商品などに対する消費者からの問い合わせに対し、スタッフはパソコン等から問い合わせ内容をキーボート入力、あるいは音声入力するだけで、必要な情報を短時間に入手でき消費者に提供している。

関連ニュース