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【ドクター和のニッポン臨終図巻】「花」を聴いて涙した最期 「噂の真相」元編集長・岡留安則さん (1/2ページ)

 先週末、いくつかの仕事があって沖縄に行きました。講演会を企画していただいたジュンク堂書店那覇店の店長さんの案内で、夜は栄町市場という郷愁誘うディープな飲み屋街へ。そのスナックで、この人の話題になりました。

 インディペンデント雑誌『噂の真相』の名物編集長、岡留安則さん。若い人は知らないかもしれませんが、一時期は相当売れていた雑誌です。岡留さんは1月31日、那覇市内の病院で死去。71歳でした。死因は、右上葉の肺がんとの発表です。

 2004年に『噂の真相』を休刊させてから、岡留さんは沖縄に移住。基地問題をはじめ沖縄の抱える多くの「矛盾」を取材し、執筆活動をしていました。16年に脳梗塞を患い、そのリハビリに励んでいたところ、昨年末に肺がんが見つかったとのことです。

 えっ? 昨年末にがんが見つかり1月に死ぬってどういうこと!? と驚く人もいるでしょう。そんなに進行するまでがんに気が付かないことがあるのか、と。しかし、そういう人はいくらでもいます。

 私は先週だけでも、そんな人を3人ほど自宅で看取りました。体に異変を感じて病院を受診し、末期がんと診断されてから1カ月以内の旅立ちでした。

 3人の病名は、膵臓(すいぞう)がん、肝臓がん、血液がんでした。3人とも生活の質と治療を天秤(てんびん)にかけてよくよく考えたうえで「治療せずに在宅」の方を選択されたのです。

 岡留さんがなった肺がんも、早期ではほぼ無症状です。咳や痰が増えるくらいで気が付いた時には末期、ということは珍しくありません。

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