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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】患者目線の「腹膜透析」普及に尽力 埼玉医科大学病院・中元秀友教授 (1/2ページ)

★埼玉医科大学病院 総合診療内科部長・教授 中元秀友さん(61)

 埼玉医科大学病院副院長で総合診療内科教授を務める中元秀友さんは、腎臓内分泌領域のスペシャリストとして内外に知られる内科医である。

 高校までは数学を得意とし、模擬試験では何度も全国1位に輝いた。数学者への道もちらついたが、「人助けができる仕事を」との思いから医学の道へと進んだ。

 そこで選んだのは「腎臓」という臓器。

 「肝腎要(かんじんかなめ)というほど、人間の体で重要な役割を果たしている腎臓は、当時、全身の臓器の中で最も研究の余地が残っている臓器でもあったんです」と語る中元医師は、腎不全などの腎臓疾患に対する研究と臨床に力を入れる。

 一般的に人工透析と言えば、患者の血液を機械で濾過(ろか)して体内に戻す「血液透析」を思い浮かべるが、じつはもう一つ、患者の「腹膜」を利用する「腹膜透析」という技術がある。血液透析のように透析施設のベッドで長時間横になる必要もなく、仕事や家事の合間に自分でできる治療法なので、生活の質は高い。

 「患者目線で考えれば非常に優れた治療法だが、医師の側に知識と手間が求められるため、日本では普及が進まない」