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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「贈る言葉」》マニュアル通りにはいきません (1/2ページ)

 長男が通う保育園で、思いがけず卒園式の保護者代表あいさつをやることになった。昨年春のことである。

 私が記者をしていることは園側はもちろんほかの保護者も知っている。みっともないあいさつをして、「記者ってこの程度?」と思われるのだけは避けたいと、インターネットのマニュアルを頼りに年明けには準備を始めた。あいさつのプロ、校長先生の話にもネタ本があるというから、記者がマニュアルを頼っても仕方あるまい。

 マニュアルによると、盛り込むのは時候のあいさつ、子供たちの成長が分かるエピソード、先生方のほか給食のご担当など関わる人たちへのお礼など。テンプレート(ひな型)や代行業者だってある。

 中でも「あいさつをしている人が自分の話に感極まっては周りが興ざめです。事前に何度か声に出して読み、文章に慣れておきましょう」という話は実に参考になった。なにせ、エピソードを書きながら、すでに何度も泣いているのだから…。

 推敲(すいこう)を重ね、何度も音読して本番に臨んだ。

 序盤は中川ひろたかさんの人気絵本「おおきくなるっていうことは」から引いた。冬の発表会で、年長組の子供たちがこの本のフレーズを一人ずつ暗唱したからだ。

 「『おおきくなるっていうことはちいさなひとにやさしくなれるっていうこと』。このお話の通り、みんな本当に大きなお兄さんお姉さんになりましたね」。一緒に暗唱し始める子もいて、つかみはまずまずだ。