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【ドクター和のニッポン臨終図巻】笑福亭松之助「楽悟家」だった人生 (1/2ページ)

★落語家笑福亭松之助

 自分は純粋な「落語家」ではないので「楽悟家」である、と自称をされていました。

 上方落語の最長老で、吉本新喜劇でも活躍された笑福亭松之助さんが2月22日、兵庫県西宮市内の病院で亡くなりました。93歳でした。生まれは大正14年の神戸。平成の終わりに、大正生まれの人が一人また一人といなくなってしまうのは寂しい限りです。

 松之助さんは、水泳で鍛え上げた体で、80代までは病気知らずだったようですが、昨年奥さまを亡くした後より体調を崩しがちになり、誤嚥性肺炎で入退院を繰り返していたようです。

 80代、90代となると誤嚥性肺炎を起こすことは珍しいことではありません。この連載でも何度か説明をしていますが、肺炎は昨今、日本人の死亡原因の第3位。超高齢化社会に伴い、誤嚥性肺炎が増えています。全肺炎患者のうち、80代の約8割、90歳以上では9・5割が誤嚥性肺炎であるというデータもあります。

 覚えておいてほしいのは、誤嚥と誤嚥性肺炎は別物ということ。食事の際、むせて誤嚥することは誰にでもあります。しかし、反射的に咳をして喀出する力があれば肺炎にはなりません。誤解している人も多いのですが、高齢者の誤嚥性肺炎は、食事中ではなく、寝ている間に唾液などの不顕性誤嚥によって起こるのです。寝る前の歯磨きは、高齢者こそ大切。

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