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【中原英臣 あの医療情報ウソ?ホント!】池江璃花子選手の白血病で関心 「AYA世代」15~39歳がん患者支援

 競泳の池江璃花子選手が白血病と診断されたことを公表したことで、「AYA世代」と呼ばれる若い人のがんに関心が集まっています。

 AYA世代というのは英語の「Adolescent and Young Adult」の略で、日本語では「思春期・若年成人」と訳されています。AYA世代についての定義はありませんが、一般的には15~39歳の人とされています。

 厚生労働省の発表によると、2016年に新たにがんと診断された患者数は99万人を超えていますが、そのうちAYA世代の患者数は2万2448人ですから、全体の2%しかいません。そのうち15~19歳が971人、20歳代が4487人、30歳代が1万6990人となっています。

 このようにAYA世代のがん患者数は少ないので、専門の医療機関も不足しています。さらに、AYA世代を対象としたがん検診が普及していないこともあって、がんの発見が遅れることも少なくありません。

 こうしたことを受けて、18年に策定した第3期がん対策推進基本計画に、AYA世代のがん患者に対する支援が明記されました。具体的には、小児がん拠点病院にAYA世代への診療体制を整備することが決まり、15医療機関が拠点病院に指定されました。

 AYA世代の白血病についてみると70%が治っています。00年に池江選手と同じ18歳で急性骨髄性白血病にかかった女優の吉井怜さんも、いまでは元気でテレビや映画、舞台で活躍しています。

 AYA世代のがん患者に対する支援はスタートしたばかりですが、これからは進学、就職、結婚、出産といった生活面での社会的支援が充実していくことが期待されます。さらに、AYA世代におけるがんの診断や治療も進化するものと思われます。(山野医療専門学校副校長・中原英臣)

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