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【「腎不全」から身を守れ】かなり困難な腎臓の再生…「メタボ退治」で長持ちさせよう (1/2ページ)

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 メタボリックシンドロームを長年放置していると、加齢と相まって腎機能が急速に低下する。結果、70代や80代になって突然「腎不全」と診断される可能性があることを説いてきた。

 メタボの改善はもとより、定期的な健康診断で腎機能をチェックすることが重要となる。では、ダメージを受けた腎機能を正常に戻す方法はないのだろうか。

 「腎機能の低下は、1つの腎臓に約100万個存在するといわれるネフロン(=腎小体とそれに連なる細尿管を合わせた腎臓の単位)に関わります。ネフロンが壊れて腎臓が線維化した状態を戻す研究は、いろいろと進められていますが、他の臓器にも影響を及ぼすこともあり、今のところ難しいと考えられます」

 こう話すのは、筑波大学附属病院副病院長で、腎泌尿器内科診療グループ長の山縣邦弘教授。慢性腎臓病の診断・治療、最先端の研究を長年行っている。

 腎臓の線維化は、たとえば、皮膚が傷ついたときに修復する機能に関わる。傷口を塞ぐために皮膚が線維化するのだ。腎機能を守るために線維化を抑制する化合物を投与すると、傷が治りにくくなるようなことが起こり得る。いかに腎臓の線維化だけを抑制するか。また、腎臓の要ともいえる微細な血管で構成される0・2ミリほどの糸球体は、一度破壊されてしまうと元に戻らない。それをいかに再生するか。

 腎臓そのものの再生医療の研究は国内で進んでいる。だが、腎臓が血液を濾過(ろか)して尿を作るための糸球体や尿細管の構成細胞はさまざまなものがあり、さらに、ホルモン分泌やビタミンDの活性化などの機能を持つため、開発は一朝一夕とはいかない。腎不全改善の研究は進められているが、実用化への道はまだ遠いのが現実だ。

 そのため、悪い生活習慣によるメタボが起因の腎機能低下は、メタボ改善、生活習慣の改善で食い止めるしかないのである。

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