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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「贈る言葉」》母乳神話に泣いたかつての自分へ (1/2ページ)

 母乳にアレルギー予防効果はないことが、授乳に関する国の指針に盛り込まれることになった。この決定が、一人でも多くのお母さんが「母乳神話」から解放されるきっかけになればと願う。

 私自身、母乳育児に悩んだ一人だ。私も夫もアレルギー体質。娘を授かったとき遺伝するだろうと申し訳なく思い、「少しでもアレルギー症状が出にくくなるなら」と、できるだけ母乳をあげたいと考えていたのだ。

 母乳育児の準備は産前からしていた。妊娠後期から乳管を貫通させるというマッサージを始め、出産予定日の1カ月ほど前には乳汁分泌があった。助産師さんにも「とてもいい状態。今から出てると母乳育児がスムーズにいく場合が多いですよ」と言われていて、さい先はよかった。

 ところが、実際に始まってみると想像以上に大変だった。産んだら自然と乳汁がたくさん出てきて、赤ちゃんを胸に抱けば勝手に吸ってくれる…なんてことは全くない。胸はカチコチにはって熱をおび眠れないほど痛いのに、乳汁は驚くほど出てこなかった。娘は助産師さんの助けを借りてもなかなか吸おうとしない。あごを3回上下させればいいほうだった。

 新生児の授乳は3時間おきに1日8回。育児用ミルクを併用する混合栄養なら、母乳がろくに出ていなくてもまずはおっぱいを吸わせ、それからミルクを飲ませる。最初は不慣れだから1回の授乳に1時間半~2時間かかる。次の授乳まで3時間休めるわけではない。

 出産と寝不足で疲労困憊(こんぱい)の体を引きずるようにして授乳室に向かい、会陰切開の傷跡の痛みに耐えながら椅子に座り、眠っている娘に声をかけたり体をさすったりして起こし、抱き方を変えつつ何度も何度もおっぱいを口にやる。疲れと空腹で泣く娘を見て「そりゃ出ないおっぱい吸わされるの嫌だよね。早くお腹満たして寝たいよね」と申し訳なく思っていた。