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【ドクター和のニッポン臨終図巻】ロック歌手、映画俳優・内田裕也 胃ろうせず「最期まで口から食べること」にこだわった (1/2ページ)

 天国の樹木希林さんは、最愛の夫との再会に、「遅かったわね」と言うのでしょうか。それとも、「あら、意外に早かったじゃないの」と笑うのでしょうか。

 ロック歌手で映画俳優の内田裕也さんが、17日に都内の病院で亡くなりました。享年79。死因は、肺炎とのことです。

 妻の死から半年後の夫の旅立ち…朝丘雪路、津川雅彦ご夫妻もそうでした。妻に先立たれた男性というのは、目に見えて弱くなる。

 在宅医療の現場においても、生前、妻に悪態をつきまくっていた傲慢な夫ほど、妻の死を境にみるみる元気がなくなっていきます。アルコール量が増え、「死にたい」と繰り返す、セルフネグレクトのような状態に堕ちゆく人も少なくありません。

 アメリカのある調査によれば、妻を亡くした男性は、平均よりも30%ほど早死にする可能性が高くなるとか。女性においてはそんなデータはないようですが。

 しかし、裕也さんの場合はそれだけではなかったように思います。昨年夏に、崔洋一監督による裕也さんを300時間取材して完成したドキュメンタリー番組を拝見しました。ナレーションは希林さんが務め、最後の共演を果たしました。

 その番組を見たとき、「これは、希林さんよりも先に逝ってしまうのでは」と感じるほど、裕也さんは弱っておられた。長年、心身ともに無茶をしてきた人が、骨折や脱水という「老い」の経過が人より少し早めに表れて、徐々に枯れていくお姿でした。

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