記事詳細

【松浦達也 肉道場入門!】いつまでもあると思うな名店の灯 あの「しゅうまい」はもう食べられない… 東京・小伝馬町「HALE WILLOWS」 (1/2ページ)

★絶品必食編

 また名店の灯が消えた。実は4月20日の閉店が告知されていたので「その前に!」という原稿を書くつもりだったが、残念なことに閉店が3月11日に前倒しされ、のれんを畳んでしまった。

 その事実の周知も含めてここに記しておきたい。

 東京・小伝馬町の「HALE WILLOWS(ハレ・ウィローズ)」というと耳慣れないかもしれない。だが人形町「大勝軒」、銀座「日本橋よし町」のチーフだった店主が腕を振るう「日本橋大勝軒」(が改名した店)と言えばどうか。

 とりわけ2015年に閉店した「日本橋よし町」は蟹肉がふんだんに盛り込まれた「蟹肉炒飯」や「天津丼」が人気で、閉店の際は惜しむファンが列をなした。

 小伝馬町に軒を移してからも評判の飯類や店内自家製麺の麺類などその味は健在。どれを食べても文句なしだった。

 だからこそ、この店では「しゅうまい」を追加していた。麺や丼だけで終わらせるのは「もったいなかった」からだ。

 この店の「しゅうまい」は実に肉肉しく、王道を行く堂々たる味だった。薄く伸ばされた皮、豚の赤身をベースとしたギュギュッと強い食感。

 そこにバラ肉を混ぜることによって、ほどける食感とジューシーさも加えられていた。

 グッとあごに力を入れると肉汁がじわっと染み出し、その奥から野趣さえ感じる強力な肉味が追いかけてきた。

 強い食感の肉餡を包む、薄い皮はぷるんとした艶やかさだけを加えて、味の邪魔をしない楚々とした佇(たたず)まいだった。

関連ニュース