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芸能人に相次ぐパニック障害 自身も罹患した医師の言葉 (2/4ページ)

 実は、ぼくも48歳のとき、パニック障害になった。患者さん宅を往診したとき、突然、動悸が激しくなり、冷や汗が出て、胸が苦しくなった。同行の訪問看護師に「気持ちが悪くて車から出られない。先に、患者さんの血圧を測っていてくれないか」と頼むのがやっとだった。

 すぐに循環器科の医師に診てもらったが、心電図も胸のレントゲンも異常がないと言われた。心臓や肺の病気ではないということだ。そのうち、何度か発作を繰り返すようになり、パニック障害と診断された。

 パニック障害は、「予期不安」を伴う。また起こるのではないかと思い込んでしまい、起きてもいないことの不安を先取りしてしまうのだ。

 さらに進むと、発作が起きたときに恥ずかしい思いをする場所に行くのを避けるようになる。これを「広場恐怖」という。多いのは、電車の中だ。通勤の満員電車のなかで発作が起こったらどうしようと不安になり、電車に乗るのが怖くなる。授業中の教室や映画館、会議など、じっと静かにしていなければならない場面も同じだ。

 重度になると、広場恐怖を感じる場所や場面を避けるようになるので、生活に支障をきたすようになる。学校や仕事に行けなくなる人もいる。

 パニック発作そのものは激しく強烈だが、たいてい30分以内に治まる。命に別状はない。むしろ、発作が起こることへの不安のほうが問題で、長期化するとうつに陥ることも少なくない。

 日本テレビの「ニュース・エブリィ」で一緒に仕事をしていたアナウンサーの丸岡いずみさんも、自分の本でパニック障害からうつ病になったと述べている。丸岡さんは地方局から大抜擢され、「奇跡の38歳」と言われた。よく食べる、明るい性格の人だが、スポットライトが当たる生活になり、急激にストレスが加わったのだと思う。

 ぼくの場合、月一回の医療保険の審査会がどうにも嫌だった。当時、院長をしていたぼくは、その審査会に出て、他の病院の診療レセプトを見て、不正や間違いがないかチェックする仕事をしていた。Gメンみたいで、ぼくには向いていないと思っていた。

NEWSポストセブン

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