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【BOOK】沖縄の「戦果アギャー」に魂を惹きつけられた 平成最後の直木賞受賞・真藤順丈さん『宝島』 (1/3ページ)

★『宝島』(講談社1850円+税)

 選考委員の圧倒的な支持を得て、平成最後の直木賞受賞作家となった。960枚の長篇は小説現代に一挙掲載。山田風太郎賞受賞を経て一気に大賞へと駆け上がった快作だ。デビュー作以来、土地に根ざした物語を描き続けている。(文・竹縄昌)

 --あらためて受賞、おめでとうございます

 「受賞後、贈呈式(2月11日)までの1カ月間は忙しかったですね。発表のあとも沖縄に行って、トークイベント、テレビ出演、サイン会とめじろ押しでした」

 --東京生まれで東京育ち、沖縄との接点は

 「僕の両親は(1972年の)返還前の沖縄との交流行事で、沖縄に向かう船の中で知り合ったそうで、家には沖縄の本も多くあった。で、この小説の資料として父の蔵書を譲り受けましたし、書き出してからあらためてその頃の世相や政治の動向、2人の体験談を聞きました。フィクションの文脈を創るうえで示唆に富んでいました」

 --沖縄が身近にあったのですね

 「どんな思想や主義主張があるにせよ、当時の沖縄のことはまず知っておいてほしいと思う。アメリカとの関係、戦争の記憶、地方と中央、現代日本の直面する問題がそこに凝縮されています」

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