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【ドクター和のニッポン臨終図巻】俳優・萩原健一、希少がんを隠しながらも「がんで死ぬ役」演じ抜いた (1/2ページ)

 普段ほとんどTVドラマを見ないのですが、昨年放送された『不惑のスクラム』(NHK)という作品は思わず見入ってしまいました。主演は高橋克典さんでした。誤って人を殺し、刑務所へ入っていた男の役です。出所したものの、すべてに絶望した男が、同じく居場所がなく、人生に傷ついた中年男たちとともにラグビーチームを結成するという男の再生物語でした。

 このとき、ラグビーチームの創設者で、主人公の人生を支えながらも、ステージ4のがん闘病中でドラマの途中で亡くなる役を演じたのが、ショーケンこと、萩原健一さんでした。ドラマの制作発表会見で、このように話していました。

 「私は末期のがん患者の役なんです。(中略)生き抜こうとしている役柄ですが、途中で死にます。でも非常に面白い役なので、ひとつ見て楽しんでいただければありがたいと思います」

 まさか、このとき、本当に重篤ながんと向き合っていたとは…。このドラマの撮影のときも、一部の関係者以外はその事実を知らなかったそうです。役作りのためにラグビーのパス練習なども行っていたとか。この作品の表情が実に良かった。こんなに優しい笑顔をする俳優だったっけ、と意外に思えたほどでした。

 年齢を重ねる大きな美点は、人に優しくなれることだと思います。川を転がり続ける石のように、次第に角が取れて丸くなっていく…。ショーケンの「円熟期」。もっともっと見ていたかったのですが、3月26日、都内の病院で亡くなりました。68歳でした。

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