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【定年後の居場所】「左遷の時期が早くて良かった」 時間ができたことで市民活動に参加し… (1/2ページ)

 NHK総合テレビで放送されている「ブラタモリ」(毎週土曜19:30~20:15)は、タモリと女性アナウンサーが全国各地の街を散策しながら、その土地の地質や建物、歴史などを紹介する紀行・バラエティー番組だ。毎週私も楽しみに見ている。

 3月16日は徳島県の鳴門を取り上げていた。鳴門は、お遍路さんが歩く四国八十八ヶ所の最初の霊場(札所)がある場所だ。私が昔から取材などでお世話になっている山下正樹さんが「お遍路の達人」として紹介されていた。

 山下さんは四国八十八ヶ所を歩いて13回も巡ったという。日に焼けた柔和なお顔は70代半ばにはとても見えない。遍路衣装を身にまとったタモリと一緒に歩きながらお遍路のことを説明していた。

 山下さんは、元は都市銀行に勤めるサラリーマン。バブル期には副支店長として早朝から深夜まで働き、休日はゴルフ接待。そんな毎日を送っていた。

 45歳のときリース会社への出向を命じられた。突然の左遷である。出世レースから外れ2年ほどもんもんとしていたという。だが時間ができたことで地域の市民活動に自発的に参加するようになった。

 そして50歳のとき、歩き遍路の体験談がつづられた本を読んだ。このことが頭に残っており、銀行関連会社を早期退職した際に、生活に区切りをつけるため四国霊場をお遍路姿で歩いて36日で巡った。この体験が予想もしていなかった方向へとストーリーを導いていく。お遍路を通じて人脈が広がり、お遍路文化を守ることが自らの生きがいになったのだ。

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