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【雇用延長時代を生きる健康術】細胞の「老化」は、がんを抑制する!? 病気を後押しする老化細胞との違いとは (1/2ページ)

 「定年70歳時代」が目前だ。働き続けるための健康維持や、持病との上手な付き合い方をこの連載でお伝えしたい。

 1回目はズバリ「老化」について考える。60代を超え元気な人でも、「足腰が弱くなった」「体力が落ちた」など、若い頃と比べて何らかの老いを感じるのは当然だ。肉体的な低下は、年齢に伴う程度の差はあるものの誰にでも訪れる。

 一方で、仕事では年を重ねて経験や技術などが豊富な人が、役立つ場面が必ずある。実は、細胞レベルでも「老化」は決して悪いこととはいえないのだ。

 「細胞の老化はがんの抑制に関わることが、さまざまな研究で明らかにされています。老化が、がんの発症を妨げるのです。細胞が老化できないようにすると、正常な細胞ががん化しやすくなります。細胞の老化は必ずしも悪いことではありません」

 こう説明するのは、細胞の老化とがんの分野などに取り組む研究者で、がん研究会がん研究所細胞老化プロジェクトリーダーの高橋暁子氏。

 人から取り出した細胞を培養すると細胞分裂を繰り返して増殖するが、一定の回数で細胞が分裂の寿命を迎えて増えなくなる。老化した細胞の形は大きく変わり、見た目にも「老化」を迎えるわけだが、この仕組みが、がん細胞が無限に増殖をするのを抑制する働きがあるのだ。

 「最近、がん細胞に老化様の増殖停止を誘導する薬剤(CDK4/6阻害薬)が乳がんの治療薬として承認されました。がん研有明病院でも治療薬のひとつとして使用しています」

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