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【ABS世代が「シニア」を変える】「シニア市場開拓」に苦戦する3つの理由 「昭和30年生まれ」以降の世代が形成する新たな市場 (2/2ページ)

 三つ目は、シニアを「十把一からげ」や「固定観念」で捉えていることです。シニアといえば、「健康、旅行、孫がかわいい、あとは介護・終活でしょ…」と一括りにしてしまうのです。最近見たある大手企業のシニア調査も、「50歳から79歳を対象」としていました。こうした大括りのマーケティングでは、各世代のニーズを喚起するビジネスはできません。

 2020年の東京五輪に注目が集まっていますが、来年にはもう一つ大きな出来事が起こります。それは昭和30(1955)年生まれが「65歳=前期高齢者」となり、来年以降は高度経済成長期に生まれた世代が続々とシニアになるのです。

 昭和35(60)年に生まれた私は、マーケティングコンサルタントとしてさまざまな企業のモノやサービスを売る企画に携わってきました。仕事の内容に加え、組織に属していないこともあり、自分がまもなく60代になり、高齢者の仲間入りをする実感がわきません。同じ思いの人は多いと思います。

 そもそも、「シニア・高齢者・老い」という言葉は一般名称であり、生活者向けに使う言葉ではありません。特に、80年代バブルの影響を受けた「昭和30年生まれ」以降の世代は、現在のアクティブシニアよりもさらに若く、特有の価値観を持っています。この世代が新たなシニア市場を形成し世の中を変えるのです。私はこの世代を「ABS(アクティブ・バブル・シニア)世代」と名付けました。

 ■鈴木準 1960年生まれ。一般社団法人日本元気シニア総研主任研究員。ジェイ・ビーム代表取締役。マーケティングコンサルタント。広告代理店を経て37歳で起業。企業のモノやサービスのコンセプト開発、プロモーション戦略に関わっている。

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