記事詳細

【中原英臣 あの医療情報ウソ?ホント!】深刻化する「多剤処方」問題 6種類以上は医師に相談を

 高齢社会が進むにつれて糖尿病、高血圧、心疾患、痛風、腰痛といった生活習慣病の患者さんが増えています。そのため「多剤処方」といって、多くのクスリを服用する患者さんがどうしても増えることになります。

 日本人の死因をみると、トップはがんで、2位は心疾患、3位は脳血管疾患です。ところが、2016年に世界的なアメリカの医学誌『BMJ』に掲載された論文によると、死因の3位は「医療ミス」で、その中には薬物の過剰摂取も含まれています。アメリカでは年間に10万人以上の人がクスリの副作用で死亡しているそうです。

 多剤処方はアメリカで「ポリファーマシー」と呼ばれ、医療分野で深刻な問題になりつつあります。そのため、アメリカでは国をあげて、多剤処方を改善する動きが起きています。

 多剤処方のなかでも6種類以上のクスリを服用している患者さんは、単なるクスリの副作用だけでなく、クスリの飲み合わせによる副作用のリスクも高くなります。東大病院の調査でも、高齢者が6種類以上のクスリを服用していると、薬物有害事象が増えることが明らかになっています。

 こうしたことを受けて、日本でも厚生労働省や日本医師会が「高齢者の適正処方」の手引きを作成し、多剤併用について注意するように勧めています。

 日本人は昔からクスリ好きといわれています。そうしたこともあって「とりあえずクスリを処方しましょう」という医師も少なくありません。しかし、多剤処方、特に6種類以上のクスリを服用している患者さんは、きちんと医師や薬剤師のアドバイスを受けるといいでしょう。(山野医療専門学校副校長・中原英臣)

関連ニュース