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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】安倍首相とオバマ大統領が酌み交わした名酒 広島県「賀茂鶴」 (1/2ページ)

★広島県「賀茂鶴」

 東広島市の西条は、8軒の造り酒屋が集まる日本有数の酒どころ。町歩きをすれば、白壁の蔵が連なる町並みに、酒名が書かれた赤レンガの煙突が、青空に美しく映えている。

 ここで最も全国的に名の通った蔵が、賀茂鶴(かもつる)だ。江戸時代から家業として酒づくりを始め、明治6(1873)年に酒名を賀茂鶴とした。

 明治31年には、同じ西条にある精米機の製造会社、佐竹機械製作所(現サタケ)の最新鋭機をいち早く導入し、現在も全量自家精米を貫いている。

 そして、大正10年には、全国酒類品評会で、1位から3位までを独占。その酵母の優秀性が認められ、協会5号酵母として全国に配布された。以前当コラムで紹介した呉市の千福(せんぷく)は、海軍御用達の酒として有名だが、将校以上は賀茂鶴を飲んでいたそうで、当時からワンランク上の酒とされていたことが伺える。

 賀茂鶴の主力であり、ロングセラー商品といえば、「大吟醸 特製ゴールド賀茂鶴」だ。発売されたのは、池田勇人首相が、所得倍増計画を発表する2年前。日本が高度経済成長の活気にあふれる昭和33年のことだった。暮らしが豊かになり、さらに次の豊かさを求める人々に、「品質も見た目も一つ上」の商品を提案したのだ。

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