記事詳細

【追跡!15年後のサラリーマン起業家たち】「ビッグイシュー日本版」創刊・佐野章二さん マイノリテイーに「生存の縁」与える (1/2ページ)

★(5)

 平成とはどんな時代だったのだろうか? 『ホームレス入門』(2001年、山と渓谷社など)にて著述の世界に飛び込み、同名のコラムの連載で本紙と縁ができた筆者に言わせれば、年間3万人のホームレス、年間3万人を超える自殺者、そして生み出された400万人の氷河期世代である。

 そんなどん底期に、ホームレスが路上で販売する英国発祥のストリート雑誌「ビッグイシュー日本版」を03年に創刊したのが社会起業家の佐野章二さん(77)。「最も難しい問題に挑もう」と、代表を務めていたシンクタンク「地域調査計画研究所」を畳んで臨んだ。

 当時「日本に路上で売る文化はない、ましてやホームレスでは…」「絶対失敗する」と周囲からさんざんな言われようだった。この間、ホームレスの数は“ネットカフェ難民”などを除くと、現在では全国で5000人前後、東京は約1500人と激減した。

 なぜ15年以上も存続できたのか。

 「ホームレスは生きるために必死ですから、販売員が170人から110人前後に減ってもそこそこ売れるんです。以前との違い? ホームレスが若年化したことです。以前は50代半ばの販売員が多かった。今は氷河期世代の40代半ばが中心です」

 「ビッグイシュー」は現在1冊350円。販売員の取り分は180円。月2回各2万5000部を発刊し、最新は、357号。累計販売登録者約1800人の収入総計は12億円を超える。

関連ニュース