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【追跡!15年後のサラリーマン起業家たち】「ビッグイシュー日本版」創刊・佐野章二さん マイノリテイーに「生存の縁」与える (2/2ページ)

 「依存症や住居問題を解決するためにビッグイシュー基金を設立しています。ステップハウスの一例として、日本にある空き家820万戸を活用しない手はありません。大阪で4室を直接家主から借りていますが、家賃は5000円です。雑誌の販売者の負担は1万5000円。うち1万円を毎月積み立てて、6カ月後その6万円を元手に次のアパートを探してもらいます」

 『路上脱出生活SOSガイド』も無料配布しており、内容が充実している。支援団体、炊出し場所の地図、生活保護申請方法、福祉・労働・DVの相談窓口など不可欠な情報がすべてそろっていて、新米ホームレスには頼れる媒体だ。

 「GWには特別イベント『道端留学~1日限りの販売者体験~』をやります。東京でも企業研修の一貫などで時折実施しますが、大口を叩いている部長さんに限って売れないもんです。あとホームレス・ワールドカップ(ホームレスによる世界規模のサッカー大会)から派生したダイバーシティカップを国内でやっています。人と人がつながる社会性を重視したもので、うつ、LGBT、ギャンブル依存症、引きこもりなどの人々がチームを作りホームレスの野武士ジャパンと対決します」

 いずれも排除されがちなマイノリティーに生存の縁(よすが)を与える試みである。さて、間もなく始まる令和の時代。日本人は多様性を認める寛容な心を取り戻すことができるのだろうか?

 GWイベントの問い合わせは、ビッグイシュー日本版(電話06・6344・2260)へ。

 ■風樹茂(かざき・しげる) 著述業/国際コンサルタント 世界40カ国を踏査。ベネズエラ、カタール、ボリビアなどに駐在。著書に『リストラ起業家物語』『ホームレス入門』『それでもパパは生きることにした』など。

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