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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】清潔で整理整頓された蔵…洗練された「格」の違う味わい 広島県「賀茂鶴」 (1/2ページ)

★広島県「賀茂鶴」(下)

 広島県の西条は、兵庫県の灘、京都府の伏見と並んで日本三大銘醸地といわれる。

 ここで全国的に最も知名度のある蔵が、賀茂鶴酒造(東広島市)だ。主力のロングセラー商品は、昭和33(1958)年発売の「大吟醸 特製ゴールド賀茂鶴」。丸く高級感のあるボトルに入った、金箔入りの大吟醸を、酒好きなら、一度は飲んだことがあるのではないだろうか。

 品質は折り紙付きで、海軍に納入していた時代も、将校以上が飲む酒とされていたし、戦後も、正月や冠婚葬祭など特別な日に飲む酒であり、日頃はめったにお目にかかれない贈答用の酒だった。賀茂鶴のこうした高級イメージは、今も変わらない。

 賀茂鶴には3つの蔵があり、中でも高品質の商品を手づくりしているのが8号蔵だ。杜氏の沖永浩一郎さんが蔵を任されたのは、まだ30代半ばのこと。若手の大抜擢だった。

 蔵を見て驚いたのは、整理整頓が徹底しており、木は磨き上げられ、コンクリートは水拭きされ、舐めるようにきれいだったこと。私がかつて見た蔵で、間違いなく3本の指に入る清潔さだ。

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