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【マンガ探偵局がゆく】価格や配本システムがネック…日本マンガはアメリカで定着せず? (2/2ページ)

 それでも、2002年には小学館・集英社系のVIZメディアがアメリカ版の月刊誌『SHONEN JUMP』を創刊。『週刊少年ジャンプ』と『週刊少年サンデー』から『ONEPIECE』などのヒット作が翻訳掲載された。05年には、同じVIZメディアから日本の『NANA』の英訳版などを掲載する少女マンガ誌『ShojoBeat』も創刊されて話題になった。

 08年にはフランスの大手出版社・アシェット傘下のアメリカ法人・エンプラスが日本のスクウェアエニックスと提携して月刊マンガ誌『YEN Plus』を創刊。日本の『SOUL・EATER』などと、アメリカ人マンガ家の作品をあわせて掲載した国際色豊かな内容で、カナダ、イギリスでも販売された。

 しかし、アメリカに日本マンガを定着させるところまではいかないまま、いずれも休刊。現在はWEBマガジン化されている。

 本の単価が日本円換算で1000円前後と高額なことや、地方の書店でも同じ発売日に手に入る日本式配本システムを広いアメリカにつくるのが難しかったのが苦戦の理由、とも言われている。その点では日本マンガと電子出版の相性は良かったのかもしれない。

 ■中野晴行(なかの・はるゆき) 1954年生まれ。フリーライター。京都精華大学マンガ学部客員教授。和歌山大卒業後、銀行勤務を経て編集プロダクションを設立。1993年に『手塚治虫と路地裏のマンガたち』(筑摩書房)で単行本デビュー。『謎のマンガ家・酒井七馬伝』(同)で日本漫画家協会特別賞を受賞。著書多数。

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