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【BOOK】きつかった史料調べ…「体感的には4倍頑張った感じ」 ドイツ降伏直後のベルリンを舞台にした話題作 深緑野分さん『ベルリンは晴れているか』 (2/3ページ)

 --ベルリン取材は

 「思った以上に歴史を引きずっている街でした。第一次世界大戦前、また第二次大戦直前や戦後のソ連、東ドイツ時代の建物もあるし、銃弾の跡もまだ残っていたり、とにかく生々しい。東京では、東京大空襲のことに気づくことはほとんどないですが、非常に衝撃を受けた部分です。行ってよかったと思いました」

 --映画の影響も大きいとか

 「出合いは本よりも映画の方が早かったですね。親は私が幼くても構わず、戦争映画を見たりするものですから、恐怖がトラウマになってます。戦争ものは苦手だったのですが、まさか戦争ものを書くようになるとは」

 --そのきっかけは

 「恐怖を感じるとなんで怖いんだと、その原因を探りたいと思うんです。地震が怖いけど、なんで起きるんだろうと活断層を調べたり。だから軍隊もミリタリーマニアみたいに好きで調べたのではなく、好奇心です。でも『戦場のコックたち』は好きが高じて無邪気に書いてしまったという反省がありますけど」

 --いずれも史料調べが丹念です

 「今回はきつかったですね。目を覆わんばかりのものもありますが、目を逸らさない。きついけど、史料の世界に入りこんでも、ちゃんと現実に帰ってこなければならない。体感的には4倍頑張ったという感じです」

 --戦勝国側から敗戦国の終戦直後を書いた本作、意識的な違いは

 「『戦場のコックたち』は日本が戦った相手のことを自分が書くことに意味を見いだしていたのですが、今回は負けて、侵略をしたことを反省する側という意味では同列です。それを(日本とは)別の国として書くわけですから緊張感もありました」

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