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【生涯現役脳をめざせ!】認知症と間違えやすい!?「正常圧水頭症(NPH)」とは (1/2ページ)

★ゲスト 前原健寿・東京医科歯科大学教授(脳神経外科)(2)

 朝田 NPHも認知症と間違えられやすい病気ですね。私のクリニックにも「高齢の親がここ1年ほど様子がおかしい」ということで来院された方がNPHだった、ということがありました。簡単な見分け方を教えてください。

 前原 (1)物忘れ(2)歩行障害(3)尿失禁、これがNPHの3大兆候です。初期段階からこの3つがそろってみられるようならNPHを疑ったほうがいいでしょう。

 朝田 検査と治療はどのようなものですか。

 前原 CTやMRIによる画像診断で脳室が大きくなっているかどうかを調べ、NPHと診断された場合には脳室にたまった髄液を「シャント術」によって腹腔に流します。事前に少量の髄液を抜く検査(髄液タップテスト)をすると、よちよち歩きだった人がスタスタと歩けるようになったり、質問にちゃんと答えられるようになったりします。

 朝田 個人差はありますが症状が目に見えて改善するので「治る認知症」と言われています。体内に設置するシャントシステムの技術も日進月歩だそうですね。

 前原 手術入院は1週間から10日、その後は通院でフォローすることになります。「加圧変式バルブシャントシステム」は設置後も体の外から調整できます。マグネット式になっていて外来ですぐに終わります。もちろん痛みもありません。

 朝田 シャントを作って終わりというわけではないのですね。NPHは認知症患者の5~10%に潜在的に認められるといわれています。思い当たる方はぜひ脳神経外科・神経内科などの専門医に相談していただきたいと思います。(協力・東京医科歯科大学)

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