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【雇用延長時代を生きる健康術】「がんロコモ」克服してがんと“共存”しながら働く (1/2ページ)

 医療の進歩で、がん治療を受けながら働くことが可能となってきた。その際に、壁として立ちはだかるのが「がんロコモ」だ。ロコモティブシンドローム(略称ロコモ)は、「運動機能の障害により移動機能が低下した状態」のことで、2009年、整形外科学会が提唱した。がんと診断された後に、運動機能の障害により移動機能が低下するのが「がんロコモ」である。

 「新しい薬の登場でがんと長期間に渡って共存する人が増え、がんは慢性疾患になりつつあります。一方で、治療やがんそのもので運動機能が低下した場合、整形外科が診るという体制が日本全体で整っているとはいえません。この状況を変える必要があると思っています」

 こう話すのは、帝京大学医学部附属病院の河野博隆副院長。整形外科学講座主任教授として、チーム医療の運動機能の障害の診断・治療を指揮すると同時に、長年、骨・軟部腫瘍を専門としてきた。その経験から、2017年、日本整形外科学会の「ロコモチャレンジ!推進協議会」内に発足した「がんロコモ」ワーキンググループで、国内の体制整備や啓発活動に尽力している。

 「たとえば、化学療法でベッドに寝ていると筋力は1日約2%落ちます。2週間で約30%です。もともと膝痛を抱えていた人は、筋力が落ち、膝の痛みを抱えながら化学療法を受け、仕事よりも治療を優先する状況が当たり前のように受け入れられています。これでは、がんとの共存とはいえません」

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