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【中原英臣 あの医療情報ウソ?ホント!】病気で振り返る平成史 「がん」が死因トップを維持

 前回は、平成における日本人の健康についてお話ししましたが、今回は病気について振り返ってみたいと思います。平成元(1989)年の日本人の死因のトップはがん、2位は心筋梗塞、3位は脳溢血、4位は肺炎でした。

 平成7(95)年に2位の心筋梗塞と3位の脳溢血が入れかわりました。心筋梗塞の治療が進化し、AEDが普及したからでしょう。その後、平成23(2011)年には3位の心筋梗塞と4位の肺炎が入れかわりました。

 いずれにしても平成を通じて日本人の死因のトップはがんでした。平成2(1990)年に21万7413人だった1年間のがん死亡者数が、平成29(2017)年には37万3334人となり、平成の時代に約1・7倍増えています。

 がんの部位別の死亡者数をみると、平成2年には胃がんがトップで、2位が肺がん、3位が大腸がんでした。平成29年には1位が肺がん、2位が大腸がん、3位が胃がんになりました。

 胃がんの死亡者が減少したのは冷蔵庫が普及したためです。冬は野菜がとれない日本海側では、野菜を漬け物にして食べていたため、塩分を過剰摂取していましたが、冷蔵庫が普及し、冬でも漬け物ではない野菜を食べられるようになったのです。

 大腸がんが2位になったのは、野菜の摂取量が十分でないからです。厚労省は1日350グラムの野菜を摂取することを目標にしています。現在、日本人の野菜摂取量は288グラムですから、令和になったのを機に、毎日、一皿だけ余計に野菜を食べることで大腸がんを予防しましょう。

 アメリカではがんの死亡率が減少したと伝えられていますが、日本では平成を通じて死亡率が増えました。令和の時代には日本もがんの死亡率を減らしたいものです。(山野医療専門学校副校長・中原英臣)

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