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【日本の元気 山根一眞】「入れ歯とハゲ」を解消する画期的「再生医療」 “傑出した研究の芽”はまだまだある (2/3ページ)

 私たちの体の組織や臓器の始まりは受精卵という1個の細胞だが、それが細胞分裂して臓器や器官を作っていく。からだをつくる細胞は約200種類。その約200種のおおもとが幹細胞だ。

 胎児期には2種の幹細胞が、複雑な臓器・器官を作り出している。臓器・器官はあたかも立体的なマンションで、2種の幹細胞が相互反応しタネとなり必要な建材を作っている。作りたい臓器・器官の種類を変えるためには幹細胞の種類を交換し立体的にタネを組み立てればよい。だが、それは非常に難しい課題だった。

 「われわれの臓器・器官は10万階建て、いや100万階建てのマンションのようなものです。タネ作りの2種の幹細胞を積み重ねてもガラガラと崩れ、30年以上にわたり解決できなかった」(辻さん)

 だが、辻さんは崩れないための「組み立て方(自己組織化)」を見つけ出し、「器官再生」に成功したのだ。「再建」でまず選んだのが、臓器と同じように作られている「歯」、そして「毛髪」で、動物実験で実際に新しい歯を再生し、毛を生やす成果を手にした。歯と毛髪は、失っても人命には影響がないが、その再生は多くの人が待ち望んでいることも、辻さんがこの2つの再生医療を研究テーマに選んだ理由だ。

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