記事詳細

【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】1日425トンの芋を使った熟練の仕込み! 宮崎県「霧島酒造」 (1/2ページ)

★宮崎県「霧島酒造」(上)

 現在、日本で最も売れている本格焼酎メーカーは、芋焼酎の霧島シリーズをつくる霧島酒造だ。本社は宮崎県都城市。かつての薩摩藩であり、話す言葉も鹿児島弁に近いという、宮崎県の中でも独特の文化圏だ。

 霧島山を望むシラス台地は、水はけが良いため、表層近くでは水を得にくいが、岩盤の中には大量の水があると言われていた。先代の江夏順吉社長がその可能性にかけてボーリングを行い、見事約40億トンの豊富な地下水を掘り当てたのは1955年のこと。火山灰からなる大地のミネラルを吸収した水は、霧島裂罅水(れっかすい)といい、酵母の発酵に最適な仕込み水となった。

 水はけの良いシラス台地はまた、サツマイモの栽培に最適だ。霧島酒造では、1つの工場で1日85トンのサツマイモを仕込む。工場は5つあるので、全体で425トンだ。一時、中国の芋を使っているという悪意ある噂が流されたが、これだけの芋を100%南九州で調達している。最もこだわるのは鮮度。そして、酒質に影響を与える不良芋の選別だ。

 1つの工場のスタッフは20人程度とかなり機械化・省力化が進んでいるが、芋の選別だけは機械化できない。人の目で見て、不良箇所を切り取る芋切り作業は、大量動員された熟練者が、人海戦術で行っている。

関連ニュース