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【BOOK】6年ぶりの新作…「雑なもので高い評価を受けてしまうのが何より怖い」 横山秀夫さん『ノースライト』 (1/3ページ)

★横山秀夫さん『ノースライト』新潮社(1800円+税)

 内外で高い評価を受けた「64(ロクヨン)」以来、6年ぶりとなる今作。発刊から約4カ月たった今も版を重ね、ロングセラーとなっている。呻吟(しんぎん)を繰り返し、妥協をしないギリギリの創作活動から紡ぎ出されたのは異色の“美しいミステリー”だった。(文・南勇樹 写真・三尾郁恵)

 --6年ぶりの新作長編ですね

 「雑誌連載として、平成18(2006)年に一度完結した作品ですが、どうも親近感が得られないというか、小説としての求心力をつくれなかった気がしていました。『64』の後に改めて読み直し、『これは全面改稿するしかない』と思いましたが、なかなか進まない。途中、私の作品では初めて『ホントにダメかもしれないな』という危機が何度もあり、結局丸6年かかりましたね。ストーリーは中盤からほとんど別物といっていいほど変わっています」

 --前作の『64』のときも7年ぶりでした

 「『64』のときでさえ、もはや“忘れられた作家”だと覚悟していたのですが、思いがけず温かい反応をいただくことができました。今回はさらに6年ぶりですからね。自分では、ハードルを越えたものを書いたつもりでも、さすがに(読者の反応は)厳しいかもしれないなって思っていたのですが…」

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