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【BOOK】6年ぶりの新作…「雑なもので高い評価を受けてしまうのが何より怖い」 横山秀夫さん『ノースライト』 (3/3ページ)

 --出版不況の中でも「活字の、物語の力を信じたい」と言い続けてきた

 「子供のころから、活字が醸し出す物語は『事実や情報に勝つ』と信じているんです。情報は歳月とともに散逸したり、風化しますが、物語は読む人の想像力やイメージによって膨らんでゆく。だから生涯消えることがない。(ネット社会が進み)確かに環境は厳しいと思う。でも、活字にしかできない力を信じて、突破してゆくしかないでしょう。若い才能もたくさんでてきていますから、心配ないですよ」

 ■あらすじ 一級建築士の青瀬は、バブル崩壊で仕事も家庭も失い、今は友人の建築事務所で小さな仕事をして食いつなぐ毎日。そんなとき、「すべてをお任せする」と依頼を受け、長野県に建てた「Y邸」が業界内で高い評価を受ける。北向きのノースライトを生かした会心作だった。ところが、依頼主は姿を消し、家の中には、古ぼけたイスだけが残されていた。ナゾを追う青瀬は、過去と現在をつなぐ意外な事実を突き止めるのだが…。雑誌連載を全面改稿。

 ■横山秀夫(よこやま・ひでお) 1957年東京都生まれ。62歳。地方紙記者を経て、91年『ルパンの消息』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞。98年『陰の季節』で松本清張賞受賞。主な作品に『第三の時効』『半落ち』『クライマーズハイ』など。『64』は、英や独の文学賞でも高い評価を受けた。多くの作品が映像化されている。

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