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【生涯現役脳をめざせ!】朝田隆「認知症予防」専門医対談 節目年齢で「肺炎球菌予防ワクチン」を

★ゲスト 貫井陽子・東京医科歯科大学准教授(感染制御部)(3)

 現在、がん、心疾患に次いで日本人の死因の第3位は肺炎であり、そのうち9割以上が65歳以上だ。その原因菌のうち最も多いのが「肺炎球菌」であることから今、65歳以上を対象に、肺炎球菌予防ワクチンの接種が推進されている。

 朝田 肺炎を引き起こす原因菌のうち、もっとも多いのが肺炎球菌ですね。

 貫井 はい。それで高齢者を対象にした肺炎球菌ワクチンの接種が推進されています。予防接種である程度免疫をつけておくことが重要という考え方にもとづいて、65歳以上の節目年齢に対象となる方に市町村から通知が送られます。

 朝田 東京の場合、おおむね自己負担は4、5000円程度のようですね。各自治体のホームページに費用や対象年齢などの詳細が公開されています。

 貫井 肺炎球菌のほかにも、帯状疱疹(ほうしん)の予防ワクチンも50歳以上を対象に接種が始まっています。帯状疱疹は「水痘(すいとう=水疱瘡(みずぼうそう)・帯状疱疹ウイルス(VZV)」による感染症です。大人になって免疫が落ちたところでずっと潜んでいたウイルスが活発になり、痛みをともなう発疹が起こります。

 朝田 帯状疱疹は高齢者にとても多いですね。痛みがつらそうです。

 貫井 帯状疱疹は治った後にも神経痛が残る場合があり、麻酔科で神経ブロックの注射をして痛みを取らなければならない方もいらっしゃいます。なので、予防はもちろん、発症しても軽症で済む、あるいは後遺症が軽くなるようにワクチンを打っておくことは重要です。

 朝田 認知症予防の面からも痛みでQOL(生活の質)が落ちるのは避けたいですね。

 貫井 こちらは定期接種ではなく自費になりますので、病院に行って直接聞いてみるといいと思います。感染症の基本は「感染してから治療するのではなく、予防できるものは予防しておく」ことです。

 朝田 肺炎も帯状疱疹も、下げられるリスクはしっかり下げておくことが大事ですね。(協力・東京医科歯科大学)

 ■朝田隆(あさだ たかし) 1982年東京医科歯科大学卒業。メモリークリニックお茶の水理事長、東京医科歯科大学医学部特任教授、医学博士。数々の認知症実態調査に関わり、軽度認知障害(MCI)のうちに予防を始めることを強く推奨、デイケアプログラムの実施など第一線で活躍中。『効く!「脳トレ」ブック』(三笠書房)など編著書多数。

 ■貫井陽子(ぬくい ようこ) 東京医科歯科大学医学部附属病院感染制御部長。感染対策の教育、耐性菌防止対策、抗菌薬適正使用の推進、新興・再興感染症対策などを通じて安全で良質な医療を提供する環境を守る。研究領域は耐性菌の疫学、細菌学的解析など。

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